番組審査概要
成人番組倫理委員会(以下成倫と称する)に加盟する放送事業者は、成人向け番組の放送に先立って、放送法の遵守と放送における公共性を尊重する観点から、表現の自由に配慮しつつ、性表現における番組の自主審査を慎重に実施しており、自主審査を実施するにあたっての原則を次のように定めております。
【Ⅰ.一般原則】
- 日本国憲法の遵守。
- あらゆる国の習慣及び国民感情の尊重。
- 民主主義の精神に反する思想を否定する。
- 暴力を肯定することをしない。
- 人種、性別、民族、宗教、疾患、身体的欠陥、職業等による差別表現を行わない。
【Ⅱ.審査における基本原則】
- 性的犯罪を肯定的に扱う番組は原則として放送せず、また性的犯罪を美化することのないようにする。
- 18歳未満の児童を登場させた性表現のある番組、幼児・児童を性的対象として取り扱う番組は放送しないこととする。
また、人権侵害や虐待を伴い、性犯罪を肯定的に表現したり描写することのないよう充分注意する。
- 殺人・拷問・私刑等残虐な表現により暴力を肯定し、美化することのないよう充分注意する。
- 麻薬及び覚醒剤等の使用を肯定的な表現で取り扱うことのないよう注意する。
- 猟奇趣味、異常変態性欲等、多数の視聴者に対して極端に不快感を与えると考えられる内容のものは避ける。
- 放送前に成倫に加入する各社の審査員が厳重な審査を行い、不適切な箇所をカット若しくは修正した作品のみを成倫事務局に放送作品として登録し、各社は登録した作品によって放送する。
- 収録並びに事前審査なしに放送される「生放送」については本基準に準じて放送するものとする。
【Ⅲ.表現・描写等に関する技術的処理 】
①表現・描写の技術的処理
- 性器、恥毛、その他Ⅱに定める事項に抵触する表現、描写において技術的処理の漏れがあった場合は、修正をする。
- 性器の直接的呼称、差別的言動その他の表現等において音声の面で不適切な表現があった場合には、修正をする。
②モザイク・ボカシについて
性器、恥毛など、はっきりと形状が見てとれる描写の場合は、技術的に修正をする。
【Ⅳ.違反に関する措置】
以上に違反する行為があった場合、成倫は除名を含む厳しい措置を取るものとする。
【Ⅴ.放送をするにあたっての前提】
- 成人向け放送は、スクランブル措置をとり、視聴にあたっては、視聴年齢制限(ペアレンタルロック)を設定する。
- 未成年の視聴制限を徹底するための視聴禁止の告知、視聴手続き過程での制限等可能な措置を行う。
- 広告宣伝等に関しては、放送、インターネット、雑誌、新聞など各媒体において不特定媒体と特定媒体に区分し、それぞれに於いて徒らに未成年者を刺激しない様な配慮を行う。
特徴ある審査システム=『相互視聴システム』
成人番組倫理委員会では、番組審査基準の平準化を目的として、相互視聴システムを取り入れ審査を行っています。
これは毎月事務局が、正会員・準会員から数社の事業者に依頼し、それぞれお互いの作品を視聴し合い審査するシステムです。その相互視聴後、検討事項があった際には「審査会」等の機関審議で対処し、常に審査基準の平準化に努めています。